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治験とは
近年の情報化社会では情報が中心的な価値を占めるようになり、多くの方がパソコンやスマートフォンを利用し、ネットで欲しい情報にすぐ手が届くようになりました。
一方、残念なことに間違った情報を目にする機会も増えております。震災時のフェイクニュースは記憶に新しいのではないでしょうか。
治験も同様に、色々なまとめサイトやブログで記事が掲載されています。ですが、こちらも残念な事に、過度な表現やとても真実とは言い難い内容・描写などが散見されます。
このままだと、治験に対する「闇バイト」や「都市伝説」的なイメージは決して払拭されないでしょう。
そこで10年以上前より実際に治験へ参加している治験マニアな私が「治験の全て」を語ります。もちろん良い事も悪い事も裏側も全て語りませう。実体験した者にしか分からない事を語り尽くします!
今回は、治験と言えばまず真っ先に思い浮かべる方の多い、健康な成人男性を対象にした入院の治験を軸にお話を進めていきます。
治験の中でも「一番高額な報酬」が支払われるので、興味がある方も多いのではないでしょうか。
治験の種類
人を対象におこなわれる試験には、大きく分けて以下の3種類があります。
- 健康食品、サプリメント
機能性表示食品やトクホ(特定保健用食品)などの申請を目的におこなわれる臨床試験。 - 化粧品、スキンケア
化粧品などの、お肌に対する効果(美白・保湿・弾力など)や安全性(アレルギーなど)の調査を目的におこなわれる臨床試験。 - 治験
国から新しい薬の製造や販売許可を得るために実施される治療を兼ねた試験のこと。治験と呼べるのは、正確にはこの薬の試験だけです。
臨床試験でも治験でも、全てにおいて共通なのは、人を対象にその効果効能(有効性)や安全性が確かめられる点と、参加者に負担軽減費(報酬・謝礼)が支払われるという点です。
安全性、新しい薬、販売許可、などのワードがでると、危険でリスキーなイメージが湧いてくるかと思います。でも、これまで数多くの治験を経験してきたからこそ断言できますが、こんなにも安全性や体調、精神状態などに気を遣ってくれるモニターは他にありません!
普通の薬だって副作用なんてザラにあるのに、治験だとちょっとした数値の異常でも、副作用として扱われます。しかも入院してるので万一何か異変があった時の対処などは万全の体制でおこなわれます。むしろ危険度でいうなら、私が以前に勤めていたブラック企業の方が何百倍も危険でしょう。。
治験は人体実験なの?
でも、良く聞かれるのは「人体実験でしょ?」ってな声です。
これも大きな間違い!!
辞書を調べると、
人体実験:人間に行われる実験のこと。
確かに歴史上、人権を無視した研究者本意の人体実験は数多くおこなわれており、「人体実験」と聞くと戦時中のナチス・ドイツなどを想起される方もいらっしゃるかもしれません。
このようにこれまで多くの倫理的な問題を抱えてきたため、私たちは「人体実験」と聞くととても強い拒否反応を示します。
でも、ここが人体実験と治験の大きく異なるところでもあるんです。
なぜなら、治験には必ず「本人による同意」が必要だからです。
そう、つまり研究者本意による実験ではなく、強制・強要されることのない本人による同意が必要なので、納得した上で自らが参加できる事に大きな違いがあります。
治験では、事前検診の際に同意説明というその治験に関する詳しい説明がおこなわれ、治験の目的や予想される副作用などの説明があります。もし説明に納得出来なければ、同意書にサインをせずに帰宅しても全く問題ありません。
そして、同意参加後もどのタイミングであろうが参加を取りやめる事ができます!
この内容を取り扱っているサイトやブログはほとんどありませんが、治験の人体実験のようなイメージを払拭するためにはとても大事なことですのでここで触れておきます。
※もっと詳しい治験とは →
治験参加までの流れ
次に治験へ参加するまでの簡単な流れを紹介します。
1.治験を紹介しているサイトへの無料会員登録
※過去にはお金を取るようなサイトもあったので注意が必要です。
↓
2.参加条件の確認
※電話やネット上で回答。
↓
3.参加条件が問題なければ、指定の病院やクリニックへ来院
※完全予約制です。直接医療機関に電話するのはNG。
↓
4.事前検診(試験説明、健康診断)
※副作用などに関する説明もあります。納得出来たら同意書にサイン!健康状態のチェックも行われます。
↓
5.選択基準に合致していれば本試験へ参加
※様々な条件で選ばれます。事前検診に落ちたからといって、必ずしもあなたが健康ではないと言う事ではないので勘違いしないように!下記の合格必勝法を読んで再チャレンジ!
↓
6.終了後、お金をGET!!(口座振込か現金手渡し)
※通院中や入院中に健康上何か起これば、必ず後追い「調査」があります。そのような場合に施設から連絡があった際は、必ず応じるようにしましょう。
治験の参加条件や注意事項!
ここからは、入院の治験の参加基準や注意事項について話していきます。
まず、最初に大まかな参加基準。
【基本的な参加基準】
・男性
・20〜3◯歳まで(たまに44歳くらいまで)
・BMI値が18.5〜24.9
・過去の大病歴がない
・病気で治療中ではない
・薬、サプリメントの服用がない
これらはあくまでも一般的な入院タイプの治験の参加基準ですが、この参加基準と入院日程の確保が治験参加の大前提です。
他にも「喫煙者ではない」など、試験の種類によって参加基準が加わる事があります。BMI値が不明な方はこちらで計算するか、下記の計算方法を参照してください。
ちなみにこのBMIですが、筋肉量の多い人は肥満じゃなくてもオーバーすることがあります。でも、残念ながら基準はあくまでも身長と体重から計算されるBMIになるので、筋肉質だからといった理由で参加が認められることはありません。
【BMI計算式】
BMI=体重(kg) ÷ {身長(m) X 身長(m)}
例)
175cm/65kgの場合
65(kg)÷ 1.75(m) ÷1.75(m)=21.22
事前検診では治験の流れや、お薬で考えられる副作用などを説明したうえで、参加いただけるかどうかの同意説明があります。
その他に以下のような検査があり、合格や不合格が判断されます。
【検査内容】
・医師による問診
・身長、体重、血圧測定
・採血
・採尿
・心電図
↓治験に参加するうえでの注意事項↓
・虚偽申告はしない
虚偽申告があると、今後一切治験へ参加出来なくなる可能性があります。例え病院やクリニックを変えても参加出来なくなった人はいます!例えば、虫歯がない事が参加条件になる治験なんかも、事前検診の際に口を開けて確認なんてこともありますので申告は慎重に。
・身分証明書を用意
保険証がないと参加出来ない施設もありますが、持っていない場合は公共料金の領収書やマイナンバー・住基カードなどで代用できることもあります。ここら辺は施設によって基準が異なるので、応募の際に確認しましょう。
・事前検診(初回の健康診断)の3日前から注意!
エナジードリンクやサプリ、プロテイン禁止。水をたくさん飲むと血液が綺麗になって受かりやすい。また、脂っぽい食事や魚介類、お酒も検査値に影響を与えるので控えてください。これらの注意事項は、できれば1週間前くらいから守った方が合格率がUPします!
詳しくは事前検診合格のコツや裏技をご覧ください。
・風邪や花粉症の症状はNG
これも厳しいところでは、永遠にそこの治験が参加NGになります。少しでも疑いがあるのなら、申告して別の日程で参加するようにしましょう。
・事前検診の合格、不合格…予備?!
治験は何かあった場合に備えて、事前検診で多めに合格者を用意しています。そのような方は予備、待機者、自宅待機者などと呼ばれます。
予備・待機者に選ばれた場合、本命の合格者達が全員何事もなく揃ったら、通常揃った時点か1泊だけして帰宅となります。その場合には1泊分の報酬がもらえます。
自宅待機者として選ばれる施設もありますが、自宅待機者に報酬などは一切ありません。
気になる「治験の報酬」の相場はいくら?
治験。治験バイトとも言われるその名前が示すとおり、お金とは切っても切れない縁があります。
SNSを見てもググってみても、治験絡みのお金の話はそこら中に転がっています。
ここでは、そんな治験の報酬目安や合格率などを種類別にご紹介。トクホや化粧品の販売前の治験は、正確には臨床試験と言いますが、面倒なので全部治験ってことで統一して説明していきます。
入院の治験
「高額報酬の治験バイト」と言ったらほぼこれ。わかりやすいように言うと、病院やクリニックに軟禁(基本的に面会・外出不可)されて、ジェネリックや新薬を飲んで採血いっぱいされる治験。限られた医療施設ではありますが、年がら年中募集しています。
参加条件や合格率:
20歳から35歳くらいまでの時間に余裕のある(学生・フリーター・自営業)健康な男性にはおすすめの治験。でも、残念ながら女性の方や45歳以上の男性には参加する機会があまりありません。合格率は30%〜50%。
自由度:
休みなどを利用して医療機関に入院するタイプ。
採血のとき以外はとても暇です。ブログ書いたり、漫画を読んだり、テレビみたり、パソコンで仕事したり、各々が自由な時間を過ごします。だから、院内に閉じ込められているって意味では自由度は低いですが、院内ではとても自由度が高い治験です。
報酬:
1泊あたり15,000円〜20,000円
※たとえば4泊の入院だったら60,000円〜80,000円。時期的な変動もすこしあります。
入院前におこなわれる初回の健康診断では、おおよそ3,000円程度が参加費として支払われます。
こちらの金額は全て交通費込みですので、遠方の方は交通費を計算して参加した方が良いです。
実際に東京の病院で入院した時に仲良くなった人は、新潟から参加されていました…。また、参加者が足りない時には、交通費増額キャンペーンなどが実施されることもあります。
治験概要:
ジェネリックの薬(ほぼこっち)か、第I相試験(フェーズ1)と呼ばれる新薬の第1段階。
・お金(報酬)いっぱい貰える
・自由な時間いっぱいある
参加する医療機関によって異なりますが、報酬の支払いは振込か現金手渡し。一般的に事前検診の報酬は当日に現金(大体3,000円)でもらえて、事前検診に合格して本試験に参加した時は、退院時に現金手渡しか後日(月末締め翌月末払いが多い)振込でもらえる。
マンガやテレビ、Wi-Fiなど…娯楽も充実してることがおおいから、暇つぶしはもちろん勉強や仕事なんかもできちゃいます。むしろそれくらいしかする事ないので捗る捗る。。
・面会謝絶
・採血いっぱい
面会謝絶や外出禁止は辛いかもしれないけど、もう皆さん成人したおとなだから、入院中の4泊とかにママに会いたくなっても我慢できるはず。あと、採血はいっぱいされるけど、一回あたりはほんのすこしの量だから安心してください。
通院の治験
基本的には持病がある方向けの治療を兼ねた薬の試験。「病院へ行くほどじゃないや」って持病を放置してたり、毎月の病院代を少しでも軽くしたい方にはオススメです。このタイプは治験バイトっていうより、これこそ治験本来の姿、THE ボランティアって感じのイメージです。
※予備知識として新薬の治験の3段階も是非ご覧ください。
通院タイプの治験は、基本的に持病がある方を対象にした、新薬の第II相試験(フェーズツー)と第III相試験(フェーズスリー)の治験です。このタイプの治験は、入院タイプの治験とは違って、女性も参加できる事が多いです。
がんなどの治験を除けば、この段階で既に第I相試験(フェーズワン)の健康な成人を対象とした入院の治験が終わっています。がんなどの治験は、薬の毒性が強いため第I相試験も患者さんを対象におこなわれます。
では、身近な病気の例で新薬の治験の流れを確認してみましょう。
生活習慣病に代表される「糖尿病」や「高血圧」などの病気の場合。まず、第I相試験で健康な成人を対象に入院の治験が実施され、薬の治療効果ではなく安全性や吸収・代謝・排泄に関する情報を確認します。
その段階をクリアすると、次に少数の患者さんを対象に第II相試験がおこなわれ、最後に第III相試験で多くの患者さんを対象にその薬の安全性や効果が確かめられます。
なぜ広告や募集サイトで治験の募集がされるか?
では、なぜこのような治験が募集されるかについて、その仕組みを簡単に説明したいと思います。
基本的に治験は人にそのお薬を試してもらって、安全性はもちろんその効果を見るためにおこなわれます。どのように効果を確認するかというと、統計で確認されます。
その統計で、プラセボ(デンプンなどの偽物の薬)や既存薬(既にその疾患で一般的に使用されている薬)との有意差(確かな差)が出て初めて新しい薬として認められるのです。既存の薬よりも効果がない新しい薬を出しても意味がないですからね。
そして、その統計データには多くの患者さんの協力が必要になります。
製薬会社などは、全国のクリニックや病院をまとめているSMOという業界の会社に依頼し、医療機関ごとに治験候補者の患者さんがどれくらいいるかを調査してもらいます。
ここが入院タイプの治験と少し異なるところですが、健康成人の入院の治験がおこなわれる医療機関は決められたところで実施されています。ですが、通院タイプの持病がある方を対象とした治験では、優先順位はあれど協力してくれる全国の医療機関でおこなわれます。
例えば、統計上1,000人の患者さんが必要とされる治験だったら、10名の候補患者さんがいるクリニックを100施設探せばいいですよね?
でも、通常の疾患だったら集められるような治験参加者も、そうではない疾患もあります。
例えば、みんなに認知されていないような疾患。認知されていなければ病院やクリニックにかかるわけもないので、患者さんは医療機関にいません。
【むずむず脚症候群】
この病名聞いたことありますか?
ご存知ない方は調べてもらえればと思いますが、このようなあまり認知されていない疾患などは、そもそも患者さんが医療機関にいないので、啓蒙も兼ねて外部(一般的な広告など)で治験参加者の募集をしなければなりません。
このようにして、新聞やSNSその他の広告で治験が募集される事があります。
ここまでの話を簡単にまとめると、院内の患者さんで集まるなら基本的にお医者さんからしか治験の話はありません。ですが、院内の患者さんでは足りそうにない場合は外部の広告や募集が必要になるのです。
簡単ではありますが、治験が募集されている仕組みはご理解いただけたでしょうか?では、いよいよ参加条件や合格率から順に見ていきましょう!
参加条件や合格率:
持病や検査データが参加条件に合えば、基本的には参加できる治験。でも、通院の都合がつかないとなかなか参加できないのも確か。合格率は10%〜30%。
自由度:
通院の日程は病院が開いている平日が多いから、そう言った意味ではなかなか時間を確保するのは難しいかもしれません。通院時の所要時間は大体毎回2時間程度と言われていますが、サクッと30分くらいで終わってしまうことも多々あります。
報酬:
1通院あたり10,000円(大学病院とか基幹病院はなぜか7,000円のことが多い)
通院しながら薬もらいながら日誌書きながら…って結構大変なんだけど、その割に報酬は決して多くはありません。
※この報酬の範囲で自己負担あり。だいたい初診料1,000円〜3,000円、再診料500円〜1,000円。
治験概要:
実際にその病気を持ってるひとにくすりを試してもらうフェーズです。第II相試験(フェーズ2)とか第III相試験(フェーズ3)などと呼ばれる新薬の治験の第2・第3段階。
・最先端の治療薬を試せる機会
・社会貢献になる
・セカンドオピニオンとして
上述しましたが、自己負担もあるため、治験本来の姿であるボランティアっていう要素が強めです。でも、病気を放置してたり、そもそも病気に気づいてなかったり、普段からその病気で通院してる人なら身体にもお財布にもやさしいから一石二鳥ともなり得ます。
・お金(報酬)は少ない
・まあまあ大変
通院したり、日誌書いたり、ものによってはおしっこ取ったり…とまあまあ大変。でも、自分の病気に関わるくすりだし我慢。遺伝的要素のある疾患なら、なおさら未来の子供達のためだと思ってファイト!٩( ᐛ )و
トクホ・化粧品の治験
最後は、とってもおすすめなトクホなどの治験。「脂肪の吸収を抑える」とか、商品に記載するためにおこなわれる試験。どの商品もこのようにエビデンス(証拠)をとっているんです。お金がめっちゃかかるのになんでこんな試験やるのかっていうと、マークつけるだけで売上が10倍とかになるケースもあるからなんですよ(白目。中でも特に女性におすすめなのが、化粧品の治験。残念ながら、女性向けの治験は女性特有の疾患を除けばそんなに多くはないのでおすすめ!
参加条件や合格率:
自分が参加できる条件で募集してたらラッキー!見かけたら一度やってみるべき。合格率は30%程度。薬の治験ほど日程調整は大変じゃないことが多い。トクホで売られているものをみてもらえば想像がつくと思うけど、「血圧」「肥満」「血糖」などの疾患になりかけのひと向けの商品が多いから、年齢や性別・BMI・血液の検査データに参加条件があり、俗にいう「疾患予備軍」の方を対象とした場合がおおいです。
自由度:
日程があえばラッキーの副業タイプ。薬が苦手な人にも人気の治験です。
報酬:
ほぼ通院でおこなわれます。1通院あたり7,000円〜20,000円
治験概要:
トクホや化粧品の販売前の治験。薬ではないのに報酬がすっごいおいしい時もあるよ。たとえば、ふとり気味(BMI高め)の人が対象で、事前検診1回と通院5回だけで10万円超えの報酬とか。
・お金(報酬)いっぱい
・怖くない
これは本当におすすめです。参加すると怪しいもの売られるみたいに疑心暗鬼になっている方もいらっしゃいますが違います 笑。トクホとか化粧品の販売前の調査や効果・効能をうたうための治験(臨床試験)です。
・日程や時間に制限がある
・毎日の日誌とかそこそこ大変
特に治験への参加がはじめての方にはオススメのトクホ・化粧品の治験!条件や日程が合えば、ぜひ一度参加してみてくださいね。
報酬や謝礼(負担軽減費)の支払いタイミングや税金について
それぞれの支払いタイミングですが、残念ながら日払いではありません。施設により最終日(2回の入院がある治験だったら、2回目の入院の退院日)にまとめて手渡しや、2週間〜1か月後に振込とさまざまなタイミングです。
場合によりますが、海外で治験へ参加すると現地の通貨で支払われる事があります。ドルやポンドですね。現地で受取り1週間豪遊したって話も聞いたことあります。
また、協力費に税金がかかりません!などとうたっているブログやサイトがありますが、それは誤りです。治験での協力費は雑所得に分類されますので、年間103万円を超える給与を受け取る方の場合、雑所得が20万円以下でも住民税の申告が、20万円を超える際は所得税の確定申告が原則必要となります。
また、年間103万円以下の方の場合でも、雑所得が38万円を超える場合には所得税の確定申告が必要となります。住民税については、お住いの地域などによっても変わりますので、ご不安な方はお住いの市区町村窓口に相談してみてはいかがでしょうか。
ちなみに私の最高報酬額は70万円ほどです。
これは夢じゃありませんよ!現実に頂きました。入院期間中はとても暇でしたけどね。
また、治験に関する勘違いNo.1の金額が高いから危険。これは全くもって違います。注射の回数が多かったり、身体的負担が通常より多くかかると見込まれている場合、金額が上がったりします。
更に言うと、治験中は寝ている間も拘束されているという考え(実際そうなんですが)なので、その時間分も治験の報酬に換算されます。なので、1日を24時間として時給計算するとそれほど高くないという事がお分りいただけると思います。
深夜割増なしでも時給900円×24時間=21,600円になるので、逆に高いどころか安い可能性もあります。
※入退院時間までは計算上含んでいません
寝てるだけの楽なバイト?外出は?入院中の生活とスケジュール例
色んな施設へ入院した経験によって見えてきた事があります。
ここでは治験の入院中の生活についてご説明します。時代の変化により施設側(病院・クリニック)も快適に過ごしやすくする工夫が多々見受けられるようになってきました。
どんな場所なの?
昔も今も病院やクリニックでの実施ですが、現在は治験専門の病棟があったりと、一般の患者さんとは入り口なども区別されていることもあります。
区別していると言えば聞こえが悪いですが、閉鎖された空間と言う事ではありません。今はかなり綺麗な整備された施設が多く終日快適に生活できます。
余談ですが、10数年前に入院した際は一般の方と同じ階に入院し、夜中起きて廊下に出たら目の前を老人が歩いていた事があり、飛び上がるほどビビった経験があります…。
今はこんな事はまずないので安心してくださいね。
持ち込みOKの持ち物は?
身分証明書
→健康保険証と免許証の両方あればBEST
着替え
→大体入院用の服を着せられる事が多いですがパンツ下着類は持っていきましょう
暇つぶし道具
→漫画やDVD、ゲーム機などほとんどの施設には用意ありますが、本やパソコン、タブレット等も持ち込みOKです。入院中も仕事をされる方やブロガーさんには嬉しい情報ですね。
※施設によっては、PCやタブレット・スマホの使用制限があります。必ず事前に確認しましょう!入院期間中スマホを没収される施設もあります。
タバコは持ち込めない?
タバコ
→紙巻きたばこ、加熱式タバコ(IQOS、Ploom TECH等)、電子タバコ(VAPE)は禁止です。隠れて持っていき、施設内で吸っているのが発覚し強制的に退去させられた方もいます。もちろんその際はお金は一銭も貰えません。特に禁煙者が条件の治験入院などは3ヶ月以内に吸ってたりしたら検査で発覚しますので虚偽のないように。
お菓子や間食用食べ物
→入院期間中は参加者全員を同じ状況下に置く必要があります。
食べ物は見つかれば没収されます。飴やガムなども完全にNGです。
入院中の生活は?
一言で言ってしまえば、「規則正しい生活」になります。朝昼晩と三食決まった食事を食べて、朝は大体6〜8時までの間に起きて消灯が9時です。早すぎて寝れるか心配ですが、慣れないところにきて精神的に疲れているのか案外早く寝れますよ。
食事はカレーやオムライス、パスタなどが多く見受けられます。朝は大体パンです。食べ物アレルギーをもっている方はそもそも参加出来ませんが、野菜が食べられれば普通に食べられるような内容の物が出てきます。私は苦手な物が多いですが食べれなかった事はありません。
魚介類とかでないからです(ちょー苦手。。。
治験薬を服用する日は、朝食が食べれない事はよくあります。その後の昼食は例え質素な食事でも非常に美味しく食べれるのが印象的です。
よくお風呂が入れるか心配の方がいますが、今はほぼシャワー室のみです。昔はお風呂がありましたが今はほとんど見る事はありません。スペースの問題でしょうか。
もちろんシャワーも娯楽の一つで、入院期間中のシャワータイムは嬉しい時間です。15分〜30分程度と時間は決められていますが、他にやる事が少ない中、かなりの気分転換になります。
※シャワー室でタバコを吸う人がいますが、完全に匂いでバレます。何回も言いますがやめましょう。
外出の禁止と記載されている記事を見た事ありますが、それは半分正解で半分間違いです。なぜなら2週間以上の宿泊を伴う入院試験では、近くを散歩したりできることもあるからです。
もちろん引率者ありでの行動にはなりますが、かなりの気分転換になります。また2週間未満でも大きな病院だと園内に出れたりするところもあるみたいです。
では、次に具体的な入院スケジュールをみていきましょう。
[2泊3日入院した場合のスケジュール]
1日目
16:00
病院集合
16:30
試験や病院内のルールを聞く
17:00
夕飯まで自由時間
19:00
みんな揃って夕飯
20:00
消灯まで自由時間
21:00
消灯
2日目
7:00
起床・体温測定
9:00
医師による問診
看護師による採血
10:00
治験薬投与
11:00
看護師による採血
12:00
みんな揃って昼食
13:00
夕飯・シャワー時間まで自由時間
18:00
シャワータイム
19:00
みんな揃って夕食
20:00
消灯まで自由時間
21:00
消灯
3日目
7:00
起床・体温測定
9:00
看護師による採血
10:00
帰り支度
11:00
退所の説明・謝礼金を受け取り帰宅へ
※謝礼が後日振込の場合もあり
治験のメリット・デメリット
メリット
1つ目のメリットは、やはり「お金」ですよね。
治験に参加すると、負担軽減費というお金を受け取ることができます。入院の治験の場合は特に、労力を使わずに3食ついてお金が貰えればやはり魅力的です。社会貢献!創薬ボランティア!と声高に叫んだと言えど、大多数の参加者の主目的はやはりこれではないでしょうか。
2つ目のメリットは、健康管理に繋がるというところです。採血や採尿、心電図等を行いますので、自分の健康状態を知る良いきっかけになります。また、持病をお持ちの方の場合はセカンドオピニオンとしても活用いただく事ができます。
会社務めされている方は1年に1回健診を行うと思いますが、学生やフリーター・自営業の方はなかなか機会がないと受診しないのではないでしょうか。本来の目的とは違いますが、実際に治験を受けて、自分の知らなかった病気が発覚したり、感染症にかかっていた!なんて事も分かるかもしれません。
3つ目のメリットは、やはり社会貢献です。これは主に持病がある方の治験について言えますが、自身が患っている疾患の新しい治療方法を試せたり、同じような病で苦しんでいる方への貢献になります。これに加えて健康な方向けの入院タイプの治験は、ジェネリック医薬品を世に送り出し、お薬代を安くするというとても有意義な社会貢献となります。
デメリット
次に治験のデメリットについて。
1つ目は、通院の治験でも言えますが、飲食や嗜好品に制限がかかったり、時間的な拘束があるという点です。特に健康な男性を対象とした入院タイプの治験では、ご存知の通り長い時間拘束されます。
2つ目は、入院の治験についてのデメリット。基本的には自由にスマホを使えたり、勉強や仕事をしたりと出来ますが、集団生活になりますのでそういうのが苦手な方はストレスになるかもしれません。また、入院の治験の場合は、人によって採血回数が多いことがネックになります。
3つ目は、治療効果のないプラセボ(偽薬)を服用する可能性があるということです。これは主に持病がある方の治験について言えます。
最後の4つ目は、医師や製薬会社なども予期しない副作用が発現する可能性があるということです。
治験バイトや治験アルバイトではなくボランティア
今回の記事では、主に入院タイプの治験についてご説明してきました。では、女性や年配の方、病気で治療している場合は治験に参加出来ないのか??
そんな事はありません!!
確かに入院の治験は、主に健康な成人男性が対象となるので、女性や持病がある方が参加する機会はなかなかありません。でも、他にも女性しか参加できない治験や、持病をお持ちの方向けの通院の治験など、さまざまな治験が存在します。
最後に、入院タイプの治験はあくまでも治験ボランティアです。参加すると就活の際にアピールも出来たりする場合もあるみたいです。興味がある方は是非チャレンジしてみてはいかがでしょうか。参加してみると案外印象がガラリと変わるものですよ。
では今回はこの辺で。
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